8.11.2012

メイドさん(その4)

シリーズ第4弾。

ついに始まりました、住み込みメイドさんとの生活。私は家にいるときは必ず子供たちの送迎を自分でしていましたし、しっかりと月休5日を与えていました。彼女が2日続けて休み(土曜日+日曜日)のときは「外泊」も許可していました。通常メイドさんが2日続けて休みになることもありませんし、外泊が許されることもありません。私はな~んて心の広い雇用主でしょう….

成績表
家事 優
料理 良
洗濯 良
子供たちの世話 可

雨の中も洗濯物を取り込まないでそのまま干していたときは注意しました。子供たちのシャワーは手抜き。料理はわりと美味しいけど繰り返しが多く、塩辛い。家の掃除は完璧でした。すべてが完璧な人間などいませんし、まあ、メイドさんというのはこんなものだろうなぁ、と考えていました。

さてここから少しずつ雲行きが怪しくなっていきます。

まず、採用前に目を通した履歴書には身長体重から始まり彼女についての様々な情報が掲載されています。その中に「夫 健在 漁師」と書いてありました。ところが、彼女の外泊先はミャンマー人の労働者宅でした(ちなみに彼女は41歳、女ざかり)。ちょっと話を聞くと夫とは死別した、とか。履歴詐称?

とにかく片付け魔なのか、子供たちが心をこめて学校で作ってきた工作はすべて捨ててしまいます。特に長男は手作りの工作には人一倍気合いを入れるので捨てられたときは本当に悔しそうでした。何度注意しても同じことの繰り返し。

フィリピンに残してきた家族とトラブルか、彼氏とケンカか知りませんが、午前2時に怒鳴り合いの電話をかけているときがありました。コンドの反対側に寝ている私も目が覚めたので、静かにするように注意しました。

月々十分な食費を与えているにも関わらず我々の夕食の量がとにかく少ない。レシートはすべて保管しておいてくれましたが、私は忙しくて毎度毎度チェックしていませんでした。

次第に子供たちがまったく彼女の言うことを聞かなくなってしまいました。通学下校中に子供たちだけ走っていき、彼女を置き去り。そしてとにかく家の中は無法地帯。

いろいろあっても私は彼女との2年契約をまっとうする予定でした。いったん結んでしまった契約だし、またイチから新しいメイドさんを雇うのは面倒だし。
雲行きはきわめて不良。シリーズは続く。

8.07.2012

メイドさん(その3)

シリーズでお送りする「メイドさんその3」。

さて、採用しただけでは自分にとって最適なメイドさんであるとは限りません。しっかりと自分のこだわりや好みを説明していかなければなりません。我が家の場合、子供たちの世話と料理と掃除と洗濯をすべてバランスよくこなしていかなければなりません(つまりは、スーパーウーマンのようなメイドさんが必要)。でもこのような説明では曖昧なので、具体例を挙げました:
1.  自宅の大理石や木の床は裸足で歩きたいので、毎日掃除機をかけること。床の拭き掃除は2日に一度すること
2.  夕食は同じメニューを1カ月に2度以上は出さないこと
3.  タオルやシーツは週に2度変えること
4. 子供たちの安全が最重要なので、家事がおろそかでも子供たちの世話をしていた、など理由がしっかりとあれば可
などなど。

また、何度言っても同じようなミスを犯す場合は、書面にします。

自分のこだわりをすべてリストアップしたら最終的にはA4用紙10枚分の長い書類になってしまいました(ほとんど論文)。自分は本来は神経質な人間だったと思い知りました。

ところでメイドさんというのはどれだけ働き者なのでしょうか。実は最近法律は改定されたものの、現在でもかなりこき使われているメイドさんがいるようです。

我々がよく耳にする「週休2日」などというのはメイドさんの世界ではあり得ません。多くて「週休1日」。中には「月休2日」「月休1日」「休みなし」(?)というご家庭もあります。シンガポールでは一般的に中国人家庭やインド人家庭では休みが少なく、外国人家庭ではしっかりと週休1日休めるというのがメイドさん間での印象みたいです。

そんな中、我が家では「月休5日」という好条件でまずは雇いました。というのも、私が土日働いていることもあり、その場合は一般的にメイドさんの休みとなる日曜日でも子供たちの世話をしてもらわないといけないことがあったので、基本的には毎週日曜日休みにしておいて、私が日曜日働く日は前日の土曜日を休みにしてもらい、さらにもう一日別の土曜日も休みにしていました。

このように各々の家庭内でメイドさん自身との交渉によって様々な条件の違いが出てきます。

それにしても「月休5日」なんていうメイドさんはおそらくシンガポール中探しても他になかったと思います。これが後々いろいろなトラブルの原因となることはまだ誰も知らなかった….

シリーズは続く。