9.01.2012

メイドさん(その11)

メイドさんシリーズ、そろそろ完結編が近いか。

「急がばまわれ」メイド採用。今回こそは失敗しないメイドさん探しを目指し、エージェンシーを通して何人かのメイドさんの履歴書を送ってもらいました。1-2年で雇用主をぽんぽん代えている人はボツ、以前の雇用主と連絡がとれない人もボツ、しゃべってみて生意気な人もボツ、若くて女盛りっぽいのもボツ。

そしてやっと見つかり、現在も雇っているメイドさんの紹介をします。

彼女は現在40歳代後半、フィリピン人。一般にメイドさんは年齢が40歳代に入るとバリューが下がると言われているので、年齢だけ見ると「売れ残りそうな」高齢です。過去8年間同じご家庭でずっと働いてきました。そのご家庭はお父さんが日本人、お母さんが中華系マレーシア人、男の子3人。子供さんたちが高校や大学のために日本へ帰国するに当たり、メイドさんが必要なくなったので今回8年ぶりの職探しということでした。

本人に会う前に雇用主Sharonに電話で何度かお話しました。評価は上々、ただし言われなければやらない(フィリピン人メイドさんではよくあることですが、機転が利かないので指示は丁寧に何度も繰り返さなければならないことが多い)。家事一般はできる。何よりも私が嬉しかったのは、Sharonが「我が家で長いこと働いていたので、次のご家庭がよいご家庭かどうか私自身気になる」と言っていたことでした。

さて、本人にももちろん会いました。英語力まあまあ、容姿まあまあ。しかし人が良さそうでやる気もある。残念ながらシンガポールの法律で料理を試しに作ってもらうことはできませんでしたが、ここはSharonの言葉を信じるほかありません。何よりも一つの家庭で8年間働くというのはかなりプラスでした。

即採用したかったのですが、Sharon邸での雇用期間がまだ残っていて、本人も引越しの手伝いを最後までやり遂げたいとのことだったので、我が家はひとまず我慢。

出会ってから実に3週間ほど待ってやっと我が家に来てくれました。

シリーズまだ続く。

8.31.2012

長男VS次男

みなさんの中には子供二人いらっしゃるご家庭が多いと思います。

我が家ではたったの2歳差なのに母(私)の態度が二人に対してまったく違います(自慢するようなことではない)。

長男は比較的厳しく「とことんたたきこめ」教育、次男は比較的甘く「なるようになれ」教育。結果的にこうなるご家庭が多いということですが、私は彼らが生まれた瞬間からこうやって育ててみようと考えていました。いわば人体実験です。

疑問その1
厳しく育てたらどんな人間ができ上がるのだろうか?(あれやれこれやれと言われ続けた人間は最終的にはどうなるのだろうか?)

疑問その2
甘く育てたらどんな人間ができ上がるのだろうか?(人間は自発的にものができるようになるのだろうか?)

このような疑問の答えを出すには格好のモルモットが長男と次男です。

ところがこの育て方に問題があることが最近判明。実は次男は「半」年男にしてまだ夜間はオムツで寝ているのです。

フランス時代、オムツから溢れるようなおもらしをしていた次男。私はその後彼に対してまったく「おねしょトレーニング」をしていませんでした。これが私流、「なるようになれ」教育でした。

そして月日が流れるのは速いもので、後3カ月で「ラッキー○」歳になる彼。最近は本人が焦り始めました。寝る前には膀胱はもちろんのこと、腎臓や尿管から尿がすべて出切るまでトイレに向かっています(ずっと立っている)。毎晩熱帯夜のようなシンガポールでも眠前の麦茶を自ら我慢。更には毎晩一度だけ起こしてトイレに行かせてくれと私に頼む。

ちなみに、長男は厳しく2歳過ぎで昼間はオムツにし、3歳台でパンツで夜間過ごせるようになりました。子供のトイレトレーニングをした方なら誰でも分かるでしょうが、これには大量の洗濯物と厳しいしつけが必要です。

さて「ラッキー○」歳になるまでにおねしょをしない子供になるのでしょうか?

「なるようになれ」教育はやはり劣勢か?

8.29.2012

メイドさん(その10)

「家政婦は逃げた」シリーズ第10弾。

生活の基盤を担っていたメイドさんが逃げてしまいました。逃げたメイドさんのことはさっさと忘れて、今後の生活のことを第一に考えなくてはなりません。当時ちょうど母がアメリカから遊びにきていたので本当に助かりました。しかし母は観光で来ていたのであまり過酷な労働をお願いするわけにはいきません。早く次のメイドさんを探さなくては。

しかし焦る気持ち半分、「急がばまわれ」的な気持ち半分。前回は選考プロセスにおいてお料理を作ってもらったり以前の雇用主に話を聞いたりして自分ではじっくりと決定したつもりでした。しかし結果が結果なので、今回はアプローチを少し変えました。

まず仲介業者変更。隣人のスペイン人奥さんにお薦め業者を紹介してもらいました。

次に1-2年単位で雇用主が変わっているメイドさんは選考に入れるのをやめました。それだけ頻回に雇用先を変えているということは一つの家庭に愛着が湧かないのか、気に入らないことがあるとすぐに辞めてしまうタイプなのか、トラブルが起こすことが多いのか。じっくりと一つのご家庭で働くような我慢強い人にしようと思いました。

英語力や学歴や容姿も選考基準に入れませんでした。

とにかく子供たちを可愛がってくれて、お金を盗まないで、彼氏と逃げてしまわない人!

次回に続く。


8.28.2012

メイドさん(その9)

大人気シリーズ第9弾。

そんなこんなで$2500を支払う必要はなくなったけど(保険バンザイ)、その後失踪したメイドさんはどうなったのでしょうか。

もちろん失踪したままです。

シンガポール国境管理局に寄りますと、このメイドさんが正規のパスポートでマレーシアに出国したという記録はありません。不法出国した、あるいは現在もシンガポールにいるのか?いったん雇用主のもとから逃げたメイドさんは警察に届けられ、シンガポール出入国は今後一切禁じられます。もちろん今後シンガポール国内での労働も不可能です。

逃げる前にちゃんと話し合って、あちらから×○×○の理由で契約満了できないと言われれば、私も喜んで円満解雇していました。そうすれば彼女は今後もシンガポールに出入りできたのでしょうに。本当に残念です。

そして後々母といろいろ話し合って一つ気づいたことがあります。実は毎月我々の食費として$800(米・酒を抜いた金額)を渡してそれの管理をメイドさんに任せてあったのですが、以前も書いたように我々の食事量は一年間極めて少量でした。長男がお代わりを頼んでも出てくることはありませんでした。メイドさんが不在となり母と私でスーパーに買い物に行くようになり、$800あればどれだけの食材が買えるのかを知り得たときに、彼女が毎月の食費の半分くらいを自分のものにしていたことに気付きました。足りない足りないと言われ続け、一年かけて食費をどんどん増やしていったにも関わらず(最初は$500でやりくりをお願いしていた)、食事量が増えなかったので実に不可解だったですが、それを追求しなかったのが敗因でした。

さて、実に貴重な学習ポイントが様々ある今回の諸経験。そこからどうやって生活を立て直すのか?

次回に続く。


8.26.2012

メイドさん(その8)

メイドさんシリーズ。

というわけでシンガポール労働省から規定違反のため$5000支払いのお達しが送られてくる中、私のケースが最終的にどのように収束したかといいますと。

まず、なんと契約時に私はSecurity Bondの保険に入っていました(知らずに)。保険代は$53。私は生来いい加減な性格なので保険加入する際に細かいものをあまりに見ずに「雰囲気で」加入します。メイドさんの契約時にメイドさん自身の医療保険に加入してあげるのですが、その際にSecurity Bond Protection $53という項目があったので、「え~い、どうせだから申し込んでしまえ~」と加入したのでした。むろん、何をprotectしてくれるのか当時はまったく知らず。

それは$5000のSecurity Bondの支払い義務が生じた場合に保険会社が代わりに支払ってくれるというものでした。

これを知ったときほど「保険ってありがたい....」と感じたことはありません。

後で分かったことですが、私は警察に届けたり、メイドさん直筆のメモを証拠として提出したので$5000がディスカウント(?)されて$2500になっていました。嬉しいような、どうでもいいような(保険でカバーされるから)。

ちなみに、メイド雇用の大先輩、ちまたのシンガポール人はどのようにしてこのSecurity Bondの支払い義務が生じないように工夫しているのでしょうか。
1.パスポート剥奪。雇用開始と同時に雇用主がメイドさんのパスポートを管理します。アメリカで育った私からすれば「えぇ、他人のパスポートを取り上げるの?!」と信じられない行為ですが、99%の雇用主はこのようにしています。
2.ピル服用歓迎(強制?)。妊娠予防のため。
3.厳しい門限管理。私個人は自分が日曜日が休みだったりすると、土曜日の夜から月曜日の朝まで自由にしてよいと考えがちです。それが通常メイドさんの場合は、日曜日の午前中から夜(門限)までしか自由時間となりません。誰も言わないけど、外でS○Xして来ないように昼間しか自由にしていないと考えられます。しかし、ちょっと前に日曜日の昼間に彼氏と安ホテルで「営んでいた」メイドさんが殺される事件がありましたので、昼間でも可能といえば可能なのだけど。
4.ちょっと話は違いますが、外出の度に雇用主がメイドさんのバッグの中身をチェックして家から小さなものを盗み出していないか確認するご家庭もあります。

人権と自由の国アメリカで育った私からすれば理解不能な部分多々あり。

それでもメイドさんシリーズは続く。