9.13.2012

バイリンガリズム6~親の役割(ソフト編)2~

バイリンガリズムシリーズ前回の続き。親は子供の心理をどう突けばよいのか。

2.ジャパニーズ・スペリオリティ
さて赤○新聞の見出しようですが、決してそのような要素はありませんのでご安心を(笑)。この言い回しは在日の友人が使用していたのでそのまま引用させてもらいました。

このコンセプトはうまく使えばかなり有効です。

海外で子供を育てる上で親はやはりminor languageを重点的に強化していかなければなりませんが、人間はもともと楽をしようとする動物なので、特に子供だと周りよりも努力することがなんだか面倒になりがちです。そんな中、「日本って国はすごいんだぞ」という印象を子供に植え付けておくと後々子供のほうから努力するのではないかと考えています。

具体的に、我が家では父が日本製のものがいかに優れているかをよく語っていました。自動車、マンガ、電化製品。母は日本の洋服は仕立てがよいとか、サービスが行き届いているなどと教えてくれました。最近でいうと2011年の東北地方太平洋沖地震および津波で被害に遭った東日本の人たちの震災後の紳士的な態度は世界でもめずらしいほど評価注目され、日本人として誇りに思いました。2005年アメリカのハリケーン・カトリーナで、アメリカ政府の震災後の対応遅延が甚だしかったとはいえ、食料品や医薬品の略奪行為やレイプなどが報告されたのとは大違い。やはり日本はいい国です。

ここで注意しなければならないのは、日本をより持ち上げるために外国を見下すようなことを言っては子供が混乱するということです。子供はその外国には自分の意志で来ているわけではないし、その外国にすでに愛着が湧いているかもしれないし、公平な判断を今後子供自身で下すべきだと思います。

(先日ゲームセンターで長男次男がゲームの番待ちをしていたのに、シンガポール人の子供たちがなかなか交代しないので、ついつい日本語で「だからシンガポールの子供たちはだめなのよ」と言ってしまいましたが、言った直後に後悔しました。シンガポールの子供たちのほうが日本の子供たちほどは遠慮がないことは確かですが、それは実際良くも悪くもあって、可愛げがあってよい場合もたくさんあります。)

しかしこのコンセプトを乱用すると、逆に子供が外国の環境に馴染めなかったり、自分が住んでいる外国をバカにしてしまったり、なぜ自分はこの外国にいるのだろうか、日本に帰りたいなどと考え始めてしまうので、さじ加減が難しいと思います。

私の場合はちょうど良いさじ加減で日本の素晴らしさを教えられ、さらには祖父母からたくさんのものを学び、日本で体験入学した小学校の友人からは大事にされました。このような流れの中で高校卒業間近、大学を決める際に「おっと、自分は55%日本人なのに日本に住んだことがない」ということに気づき、日本の大学に進んだのでした。大学での体験はまた別の機会に。

そして最後に2012年のアメリカ。お寿司は「おしゃれで健康的な食べ物」としてどんどんチェーン店が展開され、日本のアニメは翻訳されアメリカのケーブルテレビで毎日流され、日本人は「行儀のよい」国民、日本は「安全できれいな国」というイメージ。わざわざ船便で送ってもらわなくても、インターネットで日本のテレビ放送を毎日観ることができる。1970年代とは大違い。

きっと外国で子供をバイリンガルに育てるのは昔より簡便になっているはず。同志のみなさん、ぜひ頑張りましょう。親の役割「ソフト編」終了。そのうち「ハード編」をお送りします。

0 件のコメント:

コメントを投稿