8.01.2012

British Airways見学

7月16日に書いたもの。

搬送医学や航空医学について学ぶためにロンドン近郊のGuildfordまで来ています。

残念ながら部屋にインターネットがないのでブログのアップデートはシンガポールに戻ってからになります。

さて6日間のこの講習。2日目の今日、ロンドンのヒースロー空港でブリティッシュエアウェイズ(BA)の方々からいろいろと有用なお話を聞くことができました。主にはスタッフの教育方法のまとめでしたが、私の仕事に関係のないものもたくさん見られて非常に楽しかったです。

まず午前中はBAの看護師から、病人が発生したときに対応する客室乗務員のトレーニングについて教えていただきました。一次救急処置から心肺蘇生まで、狭い機内で対応するのは大変です。

心肺蘇生中は患者を地面やストレッチャーなど硬い面の上に寝かせて心臓マッサージをするのが通常ですが、一番印象に残ったのは、機内ではあの狭い通路沿いに寝かせて馬乗りになって心臓マッサージをするという点です。フルフラットのビジネスクラスシートなら心臓マッサージも可能かもしれませんが、たいていは通路に寝かせるそうです。

昼食はBAの社員食堂でとりました。日本のJALやANAでも同様ですが、航空会社の職員はバイロットから地上職員まできちんと制服を着ていて凛としています。

午後は機内トラブル発生時の対応。煙発生とハイジャックのシミュレーションを客として経験しました。シミュレーションと分かっていても煙がどんどん出てきて機内にまん延したときや、テロリストに夫(シミュレーションですよ)を連れて行かれてしまったときはそれなりに怖い思いをしました。

緊急脱出の方法としてボート脱出と滑り台脱出も経験しました。滑り台のときは滑り方がうまい!とクラスのみんなに「10点・10点・10点」と評価されました(小学生のノリです)。

また、特に男子に大人気だったのはフライトシミュレーションの見学です。本物のコックピットに極めて似せてあるシミュレーターがBAには多数あり、パイロットはお客さんを初めて乗せるフライトの直前までシミューレーターでのみ練習しているそうです。実際に私たちもパイロット席に座って様々なシナリオ(ロンドン到着、スイスのアルプス山脈飛行など)で練習しました。ほぼ全員着陸失敗。パイロットトレーナーには「あなた方はパイロットよりも医者になったほうがよい」と冗談を言われて帰ってきました。

全世界の航空会社はきっとBA並みに飛行の安全性に留意しているのでしょうが、このように目の当たりにすると新たな尊敬の念が生まれます。

0 件のコメント:

コメントを投稿